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ヨナス・カウフマン ジャパンツアー 2015 Bプログラム 2015年5月30日

Kaufmann Japan ツアー

Facebookに載せたコンサートレビューが好評だったので、ブログにも掲載しま~す。

【ヨナス・カウフマン ジャパンツアー2015 Bプログラム】
2015年5月30日

総括 : この笑わないテノールが私は好きだーーーっ!

↓↓↓ ここから先、長文なのでご興味ある方はどうぞ~♪ ↓↓↓

直前まで迷ったのですが、このプログラムを一日で聴く機会はそうそうないし…カウフマンは好きだし…で、当日券で行ってきました。A席サントリーホール2階C10列32番。

カウフマンを好きになったきっかけは、METライブビューイング「ウェルテル」を観てからなので、つい最近のこと。実はわたくし、テノールがあまり得意ではないのですが(スミマセン)、カウフマンの声はとても好きなのです。テノール独特のアクートの「アイーン感(これ、伝わりますか?)」が苦手なことが多いのですが、カウフマンのは大丈夫なのです。

今日のプログラムは珍しい組み合わせです。
++++++++
<前半>
R・シューマン ケルナーの12の詩Op.35より4曲 → プログラムは4曲になっていますが5曲でした。
Nr.1 Lust der Sturmnacht Nr.4 Erstes Grün Nr.9 Frage Nr.10 Stille Tränen
R・シューマン 「詩人の恋」Op.48 全曲
<後半>
R・ワーグナー ヴェーゼンドンクの5つの歌 Op.91
F・リスト ペトラルカの3つのソネット S270
+++++++

下手から出てきたカウフマンの第一印象は、「細い!」そして「顔ちっちゃい!」「足長い!」。

<12の詩>
さらっと入ってきて、さらっと歌い始めました。Erstes Grün(←これがプログラムにはErnstes Grünになっていたのだけど、間違えだよね?)なんて、リート習い始めの頃に歌ったことがある気がするので、そういう曲を歌ってくれてうれしかったです。そして、Stille Tränenとかもう泣きそうでした。繊細。この曲で締めたのだけど、あんまりにもさらっとしてて、それに特に有名な曲でもないから、お客さんも「拍手はどうしたら…」的な空気が流れてからの拍手(;'∀')

<詩人の恋>
冒頭のIm wunderschönen Monat Maiが超絶好きな曲で、私が初めて買ったリートの楽譜がなんと「詩人の恋」なんですよ。まだ声楽を習い始める前に、楽譜だけ買ったというね。そんな思い出いっぱいの曲集をカウフマン様がどう歌ってくださるのか、ハアハアしながら聴いていたわけですが、控えめに、繊細に、完全にファルセットじゃないんだけどかなり裏の声の分量が多い声でppを歌ってくれちゃうの。裏の分量と表の分量の割合がもう自由自在。7曲目Ich grolle nichtって出だしが低い音で始まって、後半は結構高音(っていうか、たぶん嫌な音域。aだから)までリートにしては広い音域が必要な曲なんだけども、さすがに低音は少し苦しそうだったかな。でもいいんです。テノールだから。で、こういうaで「アイーン」が多いと私はちょっと引いてしまうのですが、カウフマンはあんまり「アイーン」にならないのです。
2階席の後ろまで、繊細なppも強い音も全部耳元に響いてきました。すばらしい。

<ヴェーゼンドンクの5つの歌>
15分の休憩後、いよいよワーグナーです。前半あれだけ繊細にシューマンを歌った後に、ワーグナーはどんななんだろうと楽しみです。これをテノールで聴くのは今日が初めて。今日のプログラムで最も楽しみにしていた曲です。
カウフマン様、相変わらずさらっと登場。
とにかくブレスが長い!どこで息吸ってんの?って何度思っただろう。1曲目Der Engel なんでそんなppで歌えるの??余裕しゃくしゃくで歌ってました。2曲目Stehe still! この曲、前半がエンジン空ぶかしみたいになって音程が「?」になっちゃう人が多い気がするのだけど、微塵もそんなことを感じさせることなく歌ってました。カウフマンて、歌っているときに余計な動きをしないで「ただひたすら立って歌う」という感じなのですが、この曲はちょっと動いていました(笑)やっぱり大変なんだね。3曲目Im Treibhaus これもね、「そのp、持ち帰っていいですか?」って思っちゃいました。高音でp、ppを歌うときに、結構大きな口を開けて歌っていたのだけど、下顎のゆるみっぷりがすごいの!高音で裏の声の要素を多くしてppで大きな口を開けるって結構難しくないですか?4曲目Schmerzen 出だしは結構コンパクトに鋭くSonneが入ってきました。以下、本領発揮って感じでした。好き、うん。5曲目Träume もっとエロく歌うのかな~と思ったのですが、意外とさらっと歌っていました。でも素敵~と思って聴いていて、最後の1ページの直前ぐらいからサントリーホールが揺れ始めて、sanft an deiner Brust verglühen,ではホールが揺れで「カサカサ」いいはじめて、und dannあたりでカウフマンも地震が来たのに気づいて顔が(○_○)ってなりながらsinken歌って、in die Gruftはちゃんと舞台人の顔になって歌い終わりました。こちらは結構気が気じゃなくて(ドイツ人は地震が嫌い)、後奏が終わるまでホール中の人が祈るような気持ちで息をのんで聴き入りました。もちろん、拍手は演奏に対する拍手と同時に、地震があったのに演奏しきったことへの敬意の拍手ですよ。舞台上の二人は、拍手を受けながら天上のシャンデリアみたいな照明や透明の反響版がゆらゆら揺れているのを眺めていました。

<ペトラルカの3つのソネット>
わりと大きな地震の後なので、もしかしてナーバスになってしまうのでは?とか、やる気なくして今日はこれでおしまい!とか言われちゃうのではなかろうかと、客席はドキドキです。そのうち、客席から拍手が鳴りはじめました。「待ってるよー」とか「動揺したと思うけど、頑張ってー」そういう意味の拍手です。
2~3分経ったでしょうか、カウフマンは再び舞台に出てきてくれました(^^) 会場大拍手!

この曲、初めて聞いたので私は詳しいことは言えません。最初何語かよくわからなかったのですが、しばらくして「あ、イタリア語だった!」と気づきました。ははは。ここまで「笑わないテノール、カウフマン」で通してきましたが、地震の後、なぜかリラックスした表情で舞台に出てきたのです。何かいい意味で切れちゃったのでしょうか、声がどんどん出てきます。リスト、好きなのかな。もしかしたらカウフマンにとっては歌いやすいのかもしれません。なので、結構ガツンとした声がこの曲集では聴くことができました。

で、全28曲29曲が終了しました。お客さん、大盛り上がり。しかしカウフマンはまだ笑いません。

<アンコール>
カーテンコール3回ぐらいしたでしょうか。ようやくアンコール1曲目。その繰り返しでアンコール2曲目。アンコール3曲目のレハールのときだったかな、ようやくカウフマンがニヤリ。お客さんも立ちはじめました。4曲目はノリノリ。やっとしっかりカウフマンが笑いました。お客さん、ノリノリに拍車がかかっておねだりするする。結局アンコールは5曲歌ってくれました。しかも高音だしまくり。あー今、プントが危ない~と思ったところがあったのですが、「そこからそういける?」という高音のもっていきかたが、もうどうなっているんだか。筋肉なのか、口の中が広いのか、もう謎。

全体を通して気づいたこと。

★カウフマンはとても姿勢がいい。
 歩く姿が「猫背ってなんですか?」というぐらい、背筋ピーンでした。

★カウフマンは頭を動かさない
 どんな高音でも頭がほとんど動きませんでした。

★カウフマンは余計な動きをしない
 ただひたすらに立って歌うテノール。手を広げたりしません。

★カウフマンの声は多彩だ
 ガツンから繊細で透明な声まで、自在にミックス。

は~~っ。堪能しました。
カウフマンのppと「u」の母音を持ち帰りたいと思いました。

笑わないテノール、カウフマン。かっこいいし、声もいいのだけど、なんというか、歌がうまいな~って思いました。意味、通じますかねぇ。余計なことはしなくて、ひたすらに歌うのです。
でも、やっぱりかっこいいね。(←結局はこのBig Word)
ちゃらくないテノール、いいね。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

こんばんは眠れないかもしれません(^^)

ちなみに、無料で配られたプログラムは不思議でいっぱいです。曲集には原題はなく、冒頭のシューマンのみ曲名に原題あり。しかも間違っている。そうかと思えば裏面にはAプロの冬の旅全24曲が原題の他、なぜか英語、仏語でも書かれていました。このプログラムには演奏者の名前も書いてなく、歌詞は配られませんでした。このコンサートのチラシも一緒に配られたのですが、そこにはピアニストのヘルムート・ドイチュさんが、ドイチェになっている箇所もあり、なんだかな~でした。


Bプロ  Aプロ  サントリーホール
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